有害駆除、捕獲後の流れ(わな免許取得後に知った事)

わな猟

経緯

先日、役場で出向いた際に
丁度狩猟について聞きたいことがあった事を思い出した。

わたしは今年わな免許を取得した。
狩猟免許取得にあたってかかった費用の補助が
町としてあるという事を以前聞いていたのだが忘れていた。
それに加えてこの前狩猟に詳しい人に谷津田を見にきてもらった時に、ここはやばいと。
もう既に、谷津田の端の方にはイノシシが寝床として使っている形跡もあり、
一回だけでもせめて、捕り始めないとというアドバイスをもらってはいた。
ここにかければ確実という場所まで教えてくれた。

しかし、狩猟期間というのがあるのだが、一般的には狩猟期間しか、わなはかけられない。
だが駆除部?というものに入っていれば特定外来種の駆除に関しては通年許可が下りるから。
とりあえずそれに入れるのか聞いておいた方が良いと言われていた。

だが私は、全く聞きに行く事に気乗りしておらず、
なんかわざと忘れたっぽいような感じに自分に思い込ませて
そのままにしていた。

私、免許とったはいいけど実際に罠をかけた事は今までないし
これから出来るのかも分からない。かけた後の事が自分では関われる気がまだ実はしていない。

なら、なんでそもそも免許捕ったんだよって自分でも思うし
話を聞けば聞くほど、ますます出来る気がしてこない。

ただ、イノシシなどの問題がある事は耳にきいているし実際被害にもあった。
だが、心から困っていてどうしようもないという個人的感覚はまだない。
でも、住民の間で
確実に問題として挙がっている現在、免許を取るという過程に自分の身をおくことにより
この頭があまり使えない私でも、実情を少しでも垣間見る事になれるのではないかと考えた。

そして、命を頂き食すという事は必要な営みとして、私にも今後取り入れたいひとつの事である。
という事から免許を取ったのだが、
この狩猟に関して現在全体的に強い目的としてあるのは”駆除”という感じである。
しかし、そこも上手くジビエという形で、イノシシを駆除だけで終わらすのでなく
食すというところまでを、私なりに関わってみたいし、それを実現している近所のおじさまがたは本当にすごい。

と、まぁそんなこんなの色々で
今回役場に出向いたきっかけで、思わずそういえば罠猟なんですけどと
何でか口から出てしまい、おぉ~その事について聞きたいなら、
担当部署はこっちだよ~と親切に案内してくれたため、その課を目のまえにしてしまっては
もう、私は”聞きにきている人”なのだから”聞かなくてはいけない”のだ。

という狩猟に関わりたいのか、知りたいのか、知りたくないのか
よく分からないような私の心は

今回実情を追うにあたり
実際見た&知った事により、考えさせられた事が心の中に色々うごめいているのだが
とりあえず一旦まず単純に知った事実を、ここにかいておく。

処分の方法について


ということで、その処分場が下にあるから見ます?と言われ
”処分場”なんていう名前からして
正直なんかおぞましかったらどうしようなんていうド素人感丸出して・・・

”怖くないですか?”なんていう質問をしながらも、
ご親切にも、わざわざ外まで移動してめっちゃご丁寧に色々教えてくれました。

そこで知った、わなに捕まった後の流れについて
(役場の方が丁寧に教えてくれた。ありがとうございます。
 女性がまだまだ少ないという事で、その女性の担当者さんはなんだか喜んでくれていた。)

まず私は止めさし(と殺)からの解体という部分が自分に出来る事なのか分からない。
それに、この文面にかいてある”駆除隊”というくくりに所属?登録?したとしても
依頼があった場合に赴くことができる気は今の所しない・・・
というか”駆除”という事をしたいという気持ちが今の所もてない。


ちなみに、その補助の対象としては
町内に住居をおくもの&駆除を積極的に行う意向があるものと書いてある。

私は今のとことまったく積極的には”駆除”したいと思っていない
(被害がひどい場合、本当にごめん、だけど命は有難く頂き食しますということで年に数回のみ関わりたいくらい)という事は
依頼があったとしても全然行きたくないのが正直なところ。
それでもいいのか?と聞くと、まずその前にどちらにせよ
すぐに捕獲作業ができるわけでもないし、(そりゃそうだ、スキルがまずない)ので
とりあえず登録しておいて頂いてというので良いのではないかとのこと。
だかた一応その補助対象にはいれてくれるそう。


という事で、その捕獲した後の流れについて私の頭の中は”????”でいっぱいなのである。


私なりに、今回初めて知ったことをここに記す。
実際にそこにいなくても、聞いていてもあまり気持ちのよいものではないと思うので
知りたい方だけどうぞ。

まずアライグマについて。


アライグマは外来種である。
という事は駆除の対象にもなっている。

アライグマが罠にかかった場合、自分で止めさしをする事もできるが、
持ち運ぶことも可能な大きさの為、役場に隣接してある処分所にもってくる。

そこはガス殺処分という方法をとってと殺を行うとのこと。
えっ・・・・・そなんだと驚いている私の様子をみて、
そこ見てみますか?という流れで、実際にいく事になった。

そこには大きなガスボンベが2本と、長方形の金属の蓋つきの入れ物のような装置、
その横に大型の冷凍庫がおいてあった。


まず罠に入ったまんまのアライグマがそこに持ち運ばれ、その金属の容器にそのまま罠のケージごと
入れれる様になっている。

そして蓋をして、ガスのボンベのスイッチをひねる。

このスイッチをONにするまでが、捕獲者のする事らしい。
そして数分で、と殺が終わり、その後は横にある冷凍庫にはいるらしい。

冷凍庫をあけてみせてくれたのだが、
中にはすでに5,6頭のアライグマがビニール袋に入った状態でつまれていた。

その後は、一般の燃えるゴミと同じ様に焼却されるらしい。
その際は中身が分からない様に段ボールに包んで捨てるとのこと。

駆除代として、捕獲をした人にはアライグマの場合3000円が振り込まれる。

イノシシの場合


イノシシの場合、捕獲後しっぽを持って行って、それが証明となり
箱罠で捕った場合、1匹6000円?8000円?程
くくり罠で捕った場合危険が増すという事で12000円振り込まれる。

イノシシは持ち運ぶ事が不可能であるので、基本的にはその場でと殺となる。
役場との連帯としては、罠につかまった後役場に連絡。
役場職員が現地へ赴き、その場で写真を撮る。
その後(もしくは直前に)止めさしを行い、しっぽは役場職員が持って帰るとのこと。

その後、自分で解体をする事も可能である(それが私達がたまに分けて頂く猪肉などだと思う
もしくは、それができないのであれば、茂原にあるアルソックという解体、処分業者が引き受ける事も可能。
アライグマの様に役場までもっていってそこで解体という事はできないので、
もし処分を担ってほしい場合は、ある程度小さく切って冷凍庫に入るぐらいの大きさにしてなら
受け取るとのこと。

せめて土に戻したい


ここまでの話を聞いて、実際みなさんはどう思うのでしょうか?
それぞれ考える事、感じる事、問題点などなどが違うのかもしれません。

私は、冷凍庫に入っている焼却処分を待っているアライグマの個体をみて
本当になんともいえない気持ちになりました。

確かに、外来種であり生態系を大きく乱すのかもしれない。
農作物を荒らして人を困らせているのかもしれない。

それでも、捕獲され、ガス処分され、冷凍されて、捨てられるのをまつという事実は
やはり”不自然”である。

(この今の”仕組み”を批判しているわけではない。そうせざる負えない実情や、理由が沢山あり、今の所それが一番ベストという様な感じで行っているような感じに見受けられる。ただやはりどうしても悲し気持ちになるわけで、ただの私の気持ちである)

何か・・・・何かがやはり、苦しい。

土に戻り循環するという役目すら果たせず、捕獲され殺され、焼却を待つのはなんともやるせない。

”焼却”と”土を掘り埋める”ということについて

話をさらに聞いてみると、やはりこの冷凍焼却という流れについてどうにかならないかと
思う方(いや皆そう実は思っているのだ。一年に何頭ものイノシシやアライグマ達がその道筋をたどっているのか。ジビエとして流通させるにも、衛生面のルールや確実な数の管理という不確実さなどが重なり、なかなか流通にのれないのである)
もいるようで、せめて土に戻せないかとおもうそうだ。

どんなに、捕獲後ジビエに流通させるという方法をどんなに活かしたとしても、冷凍焼却というのは絶対的に出てくるものらしい。
というのは、やはり個体の衛生的に腐敗?が進んでいたり何かしらの菌?の発生などで
燃すしかない場合は確実にでるとのこと。
その数も結構多いらしい。

そもそも、もともとは、土に埋めるという行為をしていたけど
この労働は相当なものらしい。イノシシなどの大きな個体を埋める場合、動物に掘り返されない様に相当な深さの穴を掘らなければならず、一時間掘り続けなければいけない事もあるらしい・
高齢化が進む地域においては、これは相当な問題だったとのこと。

友人から教えて頂いたその事に関しての記事はこちら。
そこでは、焼却ではなく、分解をして堆肥として循環させようという試みもうまれたらしい。
https://news.livedoor.com/lite/article_detail/17127212/

では、まず”捕らない”という選択肢ってあるのだろうか?


やはり有害な獣として捕獲をしていかなければならないのか?
捕るにしても、自分たちが食べる分だけ捕るというのは。
生き物を頂くという事は昔からしているし、そこに関してはお互いの生きていく上で必要な事だとはおもうんだけど、”駆除”っていう言葉に私は異様に反応してしまうのか?
国として、やはり駆除は推奨していかないと、やっぱりだめなのだろうか?


こんな事をつらつらと書いているが
結局私の中で何か答えがでたわけではない。

ただやはり、この捕獲をし、と殺をし、冷凍して、処分をする。
なにかそれが、やはりどうも気持ちよくない。
いやきっと誰も気持ちよくない。

確かにアライグマ等に関しては外から来た生物である。(そもそも人間が連れてきてるんだけど)
猪などにおいては、数が異常に増えているのかもしれない。

だけど、”駆除”って何なのだろうか。
何をもって”正常な数”とみなすのだろうか。
(免許とる勉強したときも鹿のメスは繁殖力がすごいので、積極的に駆除を・・・みたいな事が本にかいてあった)
誰の判断基準なのだろうか。

いやわかるわかる。
わかるねん。

わかるんだよ言っていることは。
単純に、数が多くなって困っているのは。
色んな専門家が色々な数値を出して、きっと生態系のバランスが今崩れてきているからねという事だともおもうし。

にしても、基準って何よ。
何をもって”正常”な値となるんだろうか。


まぁ人間があ~だこうだ考えたところで、何か自然界に影響を及ぼすことなんて
たかがしれているのだ。
だけど、だけど、人間にだってこの行為は単純にしんどい。
”駆除”の為に自分の時間と身体を使うのはしんどいと思うのだ。

何か、何か
”自然”な物事へと移行していかないか、

あの冷凍庫に入っていたアライグマたちを思い出すと
考えたくなるわけである。

命について考える

こんな事を話していると、やはりその思いに共感してくれる方は現れるわけで
狩猟について、こんな事をしている会社もあるよとおしえてくれた。
HPこちら。
https://www.hunt-plus.com/into-the-wild



他のジビエの肉を食べたことはないが、猪の肉というのは本当に美味しい。
豚肉なんてもう食べれないなと思うほど、イノシシは美味しい。

捕るという行為はやはり大変である。
そしてさらに、この命を摘むという行為もしかり。
だけど誰か別の人にその大変な部分にお金を払い、食の部分だけど体感しているのが今の私達の暮らしだ。
それは確かに楽だけれでも、やはりもうすこし身近に”その事”を体感する事は必要な気がする。

牛の大量の飼育は地球に悪影響をおよぼす(水の利用、二酸化炭素の排出)やら、
肉は身体によくないや、飼育環境の劣悪さ、鳥インフルエンザなどなどなど・・・・・
食肉に関しては様々言われているが

まずそういう”問題”を問いただすことよりも

命と食という部分がもっと生活に身近なものになっていかない限り
誰かがやる、誰かの仕事で、それに付随する問題はこれだから、問題は解決してよ。
という話になってしまう。


本来食べるとはそういう事だよな。と

思いつつも、

今日、私たちは鶏肉を食べている。

豚肉だって食べる。

牛肉はなかなか食べないが、焼き肉屋さんにだってたまにいく。


そう、矛盾しているのよね。分かっているよ。

まだ知らない事が多くあると思う。
だれか詳しい方がいたら、改めて実情や、
この先の展望を色々教えて頂きたいと願っています。

まぁ肉を食べないみたいな選択肢もありますが
肉に限らず、自分が食べるものたちは
自分の目の見える距離で関わってはいけるようにして少しづつでも移行していけたらなと
おもっておりますし、実際それを変わらず体現している人がこの町には沢山いるなと感じます。

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