キリマンジャロの太陽

あのね、最近初日の出だったじゃないですか？
（最近初日の出・・・？って何か変な日本語だな。まぁいいや笑）

日の出って太陽じゃないですか。
夜明け前に太陽の事について考えてたんすよ。
（太陽の事について考えるとか・・・何考えてるんだろう)

夜明け前の朝ってめっちゃ寒いんですね。
一番寒いんじゃないかなって思うんです。

でも太陽が昇るのはあとほんの少しで,あとちょっとで太陽が昇るのだ。
そしてその温かさの有難さは何にも代えがたい幸せで、喜びはひとしお。

そんな太陽を思い浮かべていたら、キリマンジャロに登った時の太陽が思い出された。

皆がどんどん日の出を目指し暗闇の中を登っている。
はるか遠く彼方上の方にちらつく他の人のヘッドライトの光。
余りにも遠すぎて、途中までそれが星だと勘違いしていた。

ペースが極端に遅かった私達は、時間的にはもう日の出に山頂には
どう考えても間に合わない状況だった。

もう日の出は諦めて、ただ頂上につく事だけが全ての祈りだった。

とは言え、キツイ。
さすがにしんどい。
しんどすぎて、あの時の辛さを全く覚えていないのだが
一歩足を前に出せば出すほどしんどいから、出したくないんだけど
出さないと終わらない。

でも一歩出してからまた次の一歩を出すのが怖すぎて
2歩目を出すまでにすっっっっごい時間がかかる。

だけど、まじ出さないと・・・
上にはつかない。

あぁ～やめたい。
もうやめたくて辞めたくてしょうがない。

だけど今辞めて引き返すことの方がしんどすぎる。
もう何も考えられず
ただどうにか足を前に出すことだけをどうにかこうにかこなす。
そして激寒・・・。

そんな中いきなり背中が温かくなった。

ついにおかしくなったと思った。
こんな激寒で暖かいのはおかしいと。

なんで背中だけ暖かいんだろ。と少しの時差があって
振り返ると

そこには

太陽がいた。
大きく光り輝く太陽がいた。

太陽が背中を照らしていたのだ。

この時初めて

”太陽って暖かいんだ”という事を
身をもって知った。

本当に暖かいんだって。

あの時の太陽への感謝と感動は今でも忘れる事ができない。

振り返った瞬間、泣いた。
なんか色々凄すぎて泣いた。
全身全霊で魂で暖かさを感じた。

でも相変わらずまじしんどいのは変わらない。
結局歩かなければ上につかないのは変わらないんだけど

その後の記憶も全部すっとんでるけど
私達は太陽に背中を押されながら進んだ。

だが上へ着くことが全てでないという事も感じた。
途中あと少しという所で引き返す方もいた。
その無念・・の姿を見ながら、体調のせいでどうしてもという事だったとは思うけど
めっちゃきっと悔しかったと思う。

それでも、自分の身体と相談してその声を聴いて
素直に辞めると決断したあんた!すげ～～よ！あなたはブラボー！だよ！
本当尊いよと、声をかけたいが
辛すぎてもう心の中でお疲れ様と思っていた。

どうやって辿り着いたのか覚えていないけど
気づいたら頂上にいた。
私達はただ座り込んで泣きながら、あまりにも壮大すぎる景色を前に
佇んだ。　どんな景色だったかもよく覚えていない。
とてつもない大きな氷山みたいのが山を囲っていたような感じだった気がする
もう記憶がまじでない。写真なんかどうでもよかった。
地球って何？ここどこ？みたいな

この感動をたっぷりと味わいたい気持ちと
気持ち悪すぎて一刻も早くおりたい気持ちが交差して
カオスだった。(笑)

ということで何の話がしたかったのだろうか・・・。

そう太陽は暖かいっていう話。

その後下りてきて様々な事を考えると
キリマンジャロ登って思うのは
別にこれってすごいことでも何でもなくて
こんなんまじでただの自己満だと。

生活に必要なことでもなんでもない。

他のお金を少し使ったレジャーに過ぎない。

けど、ここで味わった何かがあるのなら
それは精一杯お返ししたい。

現地の人はそんな事までしないと
感じ取れない何かを私達に感じさせてくれるきっかけをくれた。

その感覚や感情を、登るという行為で受け取らせて頂いたのなら
自分の中に取り込ませて頂いたのなら
それは反映させたいと。

せめてそれができる事かもと。

色々あ～かなこ～かな
暮らしがど～かななんて
悩んでいられる程に、恵まれた甘い環境にいるならば
いるからこそ、できる事を精一杯しなければ失礼な気がするときがある。

太陽が暖かい

その凄さは尋常じゃない。

まじで暖かい。それは本当にすごいことである。
どの地域でも、人が生きれる位の気温に保ってどうにか暖かさを届けてくれている

そしてそういった様々な力で
私達は日々生かされていると

だから策や方法ばかりを考えず

そういった体感や感覚を
もう一度震るわせられたら